【シャインマスカットの摘粒!洗練された35粒】@古郡果樹園

ぶどう

皆さんこんにちは!
古郡果樹園でございます。

今回はシャインマスカットの摘粒についてご紹介いたします。
ぶどうは房にあった粒を全てそのままにしておく訳ではありません。
ジベレリン処理を終えたら、摘粒作業に入ります。
ジベ処理についてはこちら

今回の投稿では、摘粒の意味と、方法について解説していきます!
それではいきましょう!!!

目次

ジベ処理が終わり次の作業へ

6月に入り、シャインマスカットをはじめ様々なぶどうのジベ処理を行います。

ジベ処理はぶどうを種無しにするため、そして粒を肥大化するためにジベレリンという植物ホルモンにつけます。
ジベレリン処理については前回の投稿でご紹介しましたのでそちらをご参照ください
ジベ処理についてはこちら

古郡果樹園ではジベ処理を2回行います。
ジベ処理が終わり、しばらくすると、次は「摘粒」作業に移ります。

この摘粒作業、実は、ぶどう農家にとって一番時間と手間を必要とします。
また、最も技術の差が出る工程となります。

摘粒の技術の差が、ぶどうの房の形や品質に大きな差を生みます。
最も難しく、最も大切な作業…。気合を入れていきます!!!

また、今回はぶどうに中でも、シャインマスカットの摘粒について解説していきます。

「摘粒」作業とは?その必要性。

皆さん、ぶどうの摘粒作業は聞いたことがあるでしょうか?
簡単にいうと「ぶどうの粒を間引く」ということです。
粒を制限し、ぶどうに様々な効果を生みます。

摘粒作業による効果や必要性は

  • 房の形を整えるため
  • 粒の数を制限することにより、栄養を集中させ、粒を肥大化させる
  • 粒の密着による裂果の防止

などです。
最終的な果実の品質を高めるために、最も必要な作業となります

また、摘粒作業が遅れると、粒が大きくなり、ハサミが入らず作業効率が低下すること、初期肥大が遅れること、傘かけや袋がけなどの次の作業が遅れ、病気のリスクが高くなることなど、様々なデメリットが生じます。

ですので、丁寧に行うことは当然ですが、できるだけ素早く行うことも重要になってきます。

摘粒作業の時期は?

では具体的にはいつ摘粒作業を行うのがいいのでしょうか。

粒の肥大化を図るためには、できるだけ早く摘粒を行うことがポイントになります。
摘粒が遅れると、初期肥大が遅れ最終的な玉の張りが悪くなり、味も落ちてしまいます。

古郡果樹園では、1回目のジベ処理が終わったら、4~7日後ごろより開始します。
この時は「予備摘粒」です。
その後仕上げの「最終摘粒」も行います。
つまり2回に分けて摘粒を行います。

予備的粒を行うことで、粒の初期肥大を促進することができ、また農園全体を同じ時期に一通りできるので、品質の均等化も行える、また次の本摘粒も効率的に行えるというメリットがあります。

予備的粒の方法

次に「予備的粒」について解説します。(シャインマスカット)

この段階では完璧に摘粒をしようとせず、要点を絞って行います。

具体的には

  • 房の長さを8㎝に調整する
  • 内向きの粒や、小さな粒、奇形などを除去する

ことがメインになります。

予備摘粒はこの要点に絞り、手早く行っていきます。

まず房の長さを約8cmにするため、上の方を切除します

房の上を切除し約8cmの房にする

次に、小粒や内向きの粒、奇形の粒を間引きます

小粒や内向き粒などの間引き

このように予備的粒を行います。

本摘粒(仕上げ摘粒)の方法

次に本摘粒、仕上げ摘粒について解説していきます。(シャインマスカット)

この本摘粒が最も難しく、手間がかかり、かつ技術力に差が出ます!!!

シャインマスカットは最終的に全体で35粒を目標に摘粒していきます。

またぶどうは一つ一つ「段」というものがあります。
簡単に言うと、ぶどうの軸(木で言う幹)から生えている枝、これが一段です。

この指でさしている部分が段です。
この段ごとに粒の数を制限していきます。

  • 上の段は4~5粒
  • 真ん中の5段は3粒
  • そして最後下の段は2粒

このように粒の数を合わせていきます。
これでちょうど35粒ほどになり、形もきれいな房に、そして粒の大きさや品質も均等になります。

この時、切除する粒の選定ですが、これが非常に難しいです。

基本的には小さいもの、中にもぐっているもの、傷がついているものを優先的に切除します。

その他にも、上向きなのか下向きなのか、将来どのように成長するのか、
密集したり隙間ができたりしないか、房の形はきれいになるのか、
様々なことに注意、そして予測しながら切除する粒を決めていきます。

将来きれいな形の房になるように、軸を包み込むようにして円筒形になるように残します。

ここに技術力の差、そして、器用さや集中力、マメさが出ます。
しかし、最初に申し上げた通り、次の作業の袋かけなどが迫っているため、スピードも重要です!!!

これが摘粒を終えた最終的な房です。
粒は約35粒、きれいに整っています。

この房が最終的にこのようになります。

このような形になるように、予測し摘粒していく…。
ぶどう農家にとって最も技術力の差がでるのがこの摘粒作業でした。

最後に…。

さて今回はぶどう(シャインマスカット)の摘粒についての解説でした。

最終的なぶどうの品質に大きく影響するため、ぶどうの生産にとって最も重要な作業がこの摘粒です。
また農家の技術力の差も生まれます。

立ちながら、そして上を向きながらの作業。
非常に重労働で体にきます…。

しかし高品質なぶどうを作るためには乗り越えられます。
宝石のような粒が綺麗に整っている、美しいぶどうが届いたとき、箱を開けたときそのぶどうに驚く姿を想像すると、苦労も吹っ飛びます。

ぶどうの工程も後は袋かけのみで、収穫となります。

藤みのりやブラックビートは8月中旬から
シャインマスカットやピオーネは9月から販売開始予定です。

是非お楽しみに!!!

古郡果樹園ホームページ→ https://fgfurugoori.wixsite.com/mysite-2
古郡果樹園販売サイト→ https://fgfurufuru.theshop.jp/

ただいまプラム(ソルダムやサマーエンジェル)が先行販売中!!!
是非お楽しみください!

それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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