ぶどうの樹の皮剥ぎ!病害虫の被害を未然に防ぐために。【古郡果樹園】

ぶどう

皆さんこんにちは!
古郡果樹園でございます。

前回、気温の上昇とともに、ぶどうの樹液が流れ始める「水揚げ」をご紹介いたしました。
その時「結果母枝誘引」について解説いました。

結果母枝誘引は水揚げ後の作業でも問題ではありませんが、水揚げ前に行わなければならない作業があります。

一つ目は「剪定」です。
これはすでにブログを投稿していますのでこちらをご覧ください
「冬農業。まだ見ぬ実りのために」

二つ目は今回ご紹介する「粗皮剥ぎ」です。
これは病害虫対策として行います。

そして三つ目は「芽キズ処理」です。
これは後日投稿しますが、発芽促進のための作業です。
→ぶどうの芽キズ処理についてブログ更新こちら

それでは今回は病害虫対策である粗皮剥ぎについてご紹介していきます!

目次

昨年は病気に苦しまれた農園が多くありました。

昨年2020年、ぶどう農家は病気に悩まされました。

一番被害が確認された病気は「晩腐病」です。

晩腐病

この晩腐病により畑全体が病気になってしまった地域もありました。

古郡果樹園では様々な対策により晩腐病の被害はごくわずかで済みましたが、油断は大敵!

この冬の防除が重要となりますので、寒いですが気合を入れて行いました。

防除の方法は2つ!農薬は最小限にするために手間はかかりますが。

防除の方法は主に2つあります。

一つ目は「耕種的防除」、
二つ目は「薬剤防除」です。

薬剤防除はその名の通り薬剤により防除する方法です。

それに対し耕種的防除は、薬剤を使わず剪定バサミなどの道具を使い手作業で行う防除の方法です。
夏頃に行う笠かけや袋がけもこの耕種的防除に含まれます。

耕種的防除は非常に手間がかかります。
今回の粗皮剥ぎも樹や枝一つ一つ手作業で丁寧に行わなければなりません。

しかしなるべく農薬を使いたくありません!
口にするもの。
健康的な食事やいい食べ物には人権があると考えています。
また大切な人に贈る時、相手の気持ちを考えフルーツを選んでくれたのに、
健康や自然のことを考えていないフルーツは違うと思います。
気持ちに反すると思います。

このビジョンのもと、できるだけ低農薬で健康的なぶどうを作るため、
手作業である耕種的防除をしっかりと行います。

手間はかかりますがその価値はあります。

この時期に行うのが「皮剥ぎ」。皮を剥いで大丈夫?

この時期、耕種的防除の代表がぶどうの樹の皮剥ぎです。

ぶどうの樹の皮を剥いでしまうの?
そんなことして大丈夫なの?なんだかかわいそう … 。

古郡果樹園
古郡果樹園

もちろん!
むしろ大事な作業なんだよ!

皮剥ぎは言葉の通り、ぶどうの樹の表面の皮を剥ぐことです。
そんなことをしていいの?木に影響はないの?と疑問思う方がいるかと思いますがご安心を。

ぶどうは成長し年月を追うごとに太くなり何層にも表面の皮ができます。
古い皮は乾燥し、ささくれのようにめくれあがっていきます。

その古い皮の部分を剥いでいきます。
ぶどうの樹にとって不要な部分なので取り除いて問題はありません。

しかし方法のところで述べますが、皮だけでなく樹自体にキズをつけてはいけません。
その部分では慎重に丁寧に作業しなければなりません。

なんのために皮を剥ぐの?

先ほども述べましたが、病害虫対策のために皮剥ぎをおこないます。

ぶどうの樹の皮は年月をおい、古い部分は乾燥しささくれのようになります。
そのささくれの部分、隙間の部分から害虫は侵入し、木と皮の間に卵を産みつけます。

その害虫の代表は「カイガラ虫」といいます。
(※虫が苦手な方がいると思いますので画像は載せません。知りたい方は検索してください。)

カイガラムシは全長数ミリの小さな虫です。

カイガラムシはぶどうにとって多くの被害を発生させる厄介な害虫です。
粗皮下に卵を産みつけそこで寒い冬を越します。
5月になると幼虫が孵化し、樹や葉、果物本体にまで寄生します。
鋭い口の針で樹液を吸ったり、果物の栄養を吸ったりします。

栄養を摂られることで樹は弱ります。

被害はそれだけに収まりません

排泄物により汚れ、病気やカビを発生させます。
いわゆるスス病です。
こうなったら品質は著しく低下し、売り物にならなくなります。

さらに!
カイガラムシは病気の媒介者となると言われています。
カイガラムシが他の木に病気を移し、畑全体が大被害となってしまいます。

まさに厄介者。

さらにさらに!
カイガラムシの体はロウ質に覆われており、薬剤による影響をあまり受けません。
薬剤防除する場合、相当薬剤を散布しなければならないため、環境や健康に影響を与えてしまいます。

先ほども述べた通り、なるべく低農薬で育てたい思いがある私たちはこの皮剥ぎを丁寧に行う他ありません。

将来のぶどうの樹の運命を担う大切な作業なのです。

皮剥ぎの方法はこれだ!木と向き合え!

次に皮剥ぎの方法を解説します。

まずこれが皮剥ぎを行う前のぶどうの樹です。

木の表面に古く乾燥した皮があります。
この皮の下にカイガラムシは卵を産みつけ、寒い冬を越えます!

この古く乾燥した皮をカンナやカマを使って丁寧に剥いでいきます。

皮剥ぎをした後の木がこちら

全ての古い皮が剥げ、ツルツルになりました!
まるで百日紅の木のようです!!!

これでカイガラムシの卵は冬を越せないはずです!
また見つけ次第撤去します。

幹だけでなく、木全体行います。

このようにカンナやカマを使って皮を剥いでいきますが、注意点が一つ。
それは樹自体にキズをつけないこと。

それに注意しながら皮を剥ぎます!

場所によってはこのようにペリペリと取れるところもあります
その時は気持ちがいいです!

まとめ

さて今回は病害虫対策として「皮剥ぎ」をご紹介いたしました。

カイガラ虫。厄介者ですよね。
とても悩まされる虫です。

地球環境のため、健康のため、大切な人のことを思って贈るその気持ちに応えるために
なるべく農薬は使いたくありません。

ですので原始的な方法ですが、一番確実で効果的な防除の仕方「皮剥ぎ」を行うのです。

方法は簡単ですが、細心の注意が必要となります。

最後に

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それでは今回はこの辺で。

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